令和8年10月から パート・有期労働者の労働条件通知書の記載事項が追加されます
2026.07パート・アルバイト・契約社員等を雇い入れる際に交付する労働条件通知書・雇用契約書について、これまでの明示事項に加えて、通常の労働者との待遇差について、労働者が会社に説明を求めることができる旨を記載する必要があります。施行後に旧様式を使用しないよう、早めにひな形を確認しておきましょう。
(厚生労働省リーフレット「パートタイム・有期雇用労働者に関するルールが変わります」)
https://www.mhlw.go.jp/content/001698010.pdf
法改正の背景
人手不足が続く中、雇用形態にかかわらず、労働者が待遇差の内容や理由を確認し、納得して働ける環境づくりが求められています。給与等の処遇の決定について、納得して働けることにより短時間勤務など多様な働き方を選択しやすくなり、育児・介護等によりフルタイム勤務が難しい方の就業機会が広がることも期待して改正が行われています。
参考:役員を除く雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は36.5%(総務省「労働力調査 2025年」)
確認(1) 対象となる労働者
対象は、短時間労働者と有期雇用労働者です。具体的には、パート、アルバイト、契約社員、嘱託社員など、正社員とは異なる雇用区分で雇用している従業員です。
確認(2) 新たに追加される明示事項
労働条件通知書の「相談窓口」欄や「その他」欄などに、次のような文言を追加することになります。
- 記載例
- 次の窓口に対して、通常の労働者との間の待遇の相違(内容・理由)等について説明を求めることができます。
- 部署名:________
- 担当者職氏名:________
- 連絡先:________
※「通常の労働者」は、自社で使用している呼称に合わせて「正社員」等と記載することも可能です。
確認(3) 対応しなかった場合
今回追加される明示事項に違反した場合は、10万円以下の過料 の対象となります。
会社で準備しておきたいこと
準備(1) 説明を受け付ける窓口を決める
労働条件通知書に記載する窓口として、人事・総務担当者、店舗責任者、代表者など、誰が説明対応を行うのかを決めておきます。質問を受けた場合の社内確認ルートも整理しておくと安心です。
準備(2) 待遇差の内容と理由を整理する
正社員とパート・有期雇用労働者との間で待遇差がある場合、労働者から求めがあれば、その内容と理由を説明する必要があります。次の項目について、違いの有無と理由を確認しておきましょう。
待遇差を説明できるように点検しておきたい項目
- 基本給
- 賞与
- 退職金
- 通勤手当・家族手当・住宅手当などの各種手当
- 慶弔休暇・病気休職・特別休暇
- 福利厚生制度
- 教育訓練・研修制度
- 正社員登用制度
など
準備(3) 待遇差を説明できる資料を用意する
説明の際は、資料を活用して口頭で説明する方法や、説明すべき事項をすべて記載した分かりやすい資料を交付する方法が考えられます。賃金規程、パート就業規則、正社員登用制度の案内などを整理しておきましょう。
ダメな説明例
「正社員だから支給する」「パートだから対象外」といった説明だけでは、不合理な待遇差ではないことの説明として不十分です。待遇の性質や目的、職務内容、責任の程度、人材活用の仕組み、勤務の継続性などを踏まえて、会社として合理的に説明できる状態にしておくことが重要です。説明が求められるのであって、本人との同意を求められているわけではありません。
対応チェックリスト
- 様式改訂
- 相談窓口の決定
- 待遇差の整理
- 説明資料の準備
- 採用担当者への周知
ご不明な点がございましたら、労働条件通知書のひな形確認や、待遇差の整理についてもお気軽にご相談ください。
