社会保険労務士法人 トレイン

人事・労務便り
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新卒採用も苦戦 東京商工会議所の調査をご紹介します

2022.12

先日、東京商工会議所から新卒者の採用・選考活動動向に関する調査結果が発表されました。この調査は、東京商工会議所で実施された「会員企業と学校法人との就職情報交換会」に参加した企業278社を対象に行われた調査となります。人材確保が難しい時代となり、新卒の採用方法など企業が実施されている取り組み内容を見ていきたいと思います。

2023年新卒採用の計画人数に対する充足率

計画以上の内々定者数を確保している企業は12.4%にとどまっています。

充足率が50%未満の企業が36.9%を占めており、内々定者がいない(0%)の企業が11.5%あるなど、企業が新卒採用に苦戦している状況です。

新卒採用にあたり、会社説明会を実施し、自社を知ってもらう企業は多いですが、インターンシップ・職業体験に参加する企業が急増しています。インターンシップの利点は、実際の現場を学生が見ることができ、企業も学生も入社後にスムーズに職場に慣れることができる点や学生が抱いていた企業イメージと異なる職場環境でギャップを感じた場合、別の企業に就職活動を変更できる点です。企業の課題はインターンシップ参加者や学校へ細やかなアプローチをし、優秀な人材をその後の採用活動につなげていけるかがポイントとなっています。

※インターンシップや職業体験を始める際の企業のサポートを弊所も行っております。業務をさせるのであれば、労働基準法も遵守することが必要で、最低賃金以上の賃金支給が必要です。

優秀な人材の確保・定着に向けた取組 直近3年間で実施した取組

給与・賞与・福利厚生
若年者を含む有為な人材の確保・定着に向けた取組を尋ねたところ、「初任給の引上げ」は47.5%に達しています。「全社員を対象とした賃上げ」、「賞与、手当の引上げ」、「福利厚生の充実」についても3割強から5割強の企業が実施しています。 初任給が、最低賃金改定の度に改定されている企業もありますが、優秀な人材確保のためには、自社の賃金水準の見直しも検討が必要です。学生時代のアルバイト時給の方が高額なこともあるようです。
人材育成
「人材育成・研修制度の充実」、「社員の自己啓発への支援強化」といった人材育成・能力開発に関する項目はいずれも7割前後の企業が取り組みを実施しています。「オフィスや工場など職場の環境整備」も59.8%となっています。 人手不足は今後も続く課題となります。一人一人の生産性を向上するために人材を育成していかなければ、一昔前のように先輩社員の背中を見ていれば育つという時代は終わりました。
労働環境面
「年次有給休暇の取得促進」は80.4%、「時間外労働(残業)の削減」は73.5%、「出産・育児との両立支援の導入、推進」、「テレワークの導入、推進」や「柔軟な働き方の導入、推進」といった項目も5割から7割弱の企業が実施しています。10月の改正で、柔軟に取得できる育児休業がスタートしました。女性社員に限らず男性社員も取得することが当たり前という時代に入りつつあるように感じます。

先日、経団連が、新卒者ではない従業員の採用で一般的に使われている「中途採用」という言葉の使用をやめ、「経験者採用」に統一するよう会員企業に呼びかける方針を示しました。「中途」はネガティブな印象を与えるとの理由からです。新卒も経験者も採用は大きな変化を迎えそうです。