社会保険労務士法人 トレイン

人事・労務便り
人事・労務のポイント

令和4年改正予定 健康保険法の改正案内容

2021.4

今月は、手続きや給与計算の実務の影響が大きい2つの法改正案をご説明いたします。

傷病手当金が通算して1年6か月受給可能となります。※施行は令和4年1月を予定しています。

現行
同一の私傷病に関し受給を開始した日から最長1年6ヵ月までの間で休業した日について受給できる制度で、途中で一時的に復職した期間があっても、その期間分、受給期間が延長されることはありません。
改正案
受給を開始した日から、受給した日数が通算して1年6か月分、受給が可能となります。
改正の背景
病気の治療をしながら、仕事をしている方は労働人口の3人に1人と言われています。病気を理由に仕事を辞めざるを得ない方など治療と仕事の両立が困難な状況に直面している方も多く、治療と仕事の両立の観点から、現行の制度では、入退院を繰り返す場合や再発した場合に、従業員が柔軟に利用できないと指摘さていました。改正より柔軟な所得補償を図ろうというものです。
傷病別の傷病手当金
支給状況
「精神および行動の障害」31.30%で最も多く、次に「がん」が18.63%と「筋骨格系及び結合組織の疾患」10.89%「循環器系の疾患」10.05%
給付日数
平均164.59日(約5.4ヵ月)で、傷病別では、精神および行動の障害が、204.25日、循環器系の疾患が195.12日と非常に長期的な療養となっている。(令和元年協会けんぽ現金給付受給者状況調査より)

育児休業中の社会保険料の免除措置の見直し※施行は令和4年10月を予定しています。

現行
育児休業等開始月から終了予定日の翌日の属する月の前月まで社会保険料が、免除となります。
例えば、
  3月26日から4月15日まで育児休業の場合…3月分の保険料免除となります。
  4月15日から4月20日まで育児休業の場合…保険料免除はありません。
  4月25日から4月30日まで育児休業の場合…4月分の保険料は免除となります。
   ※同じ上記2つの5日休業でも、末日時点の状況のみで判断されます。
改正案内容
短期間の育児休業の場合、休業開始月の末日が育休期間中にあり、2週間以上の育休を取得した場合のみ保険料を免除となります。賞与保険料の免除は、1か月超の育休取得者に限定されます。
※4月から休業を開始した場合、月末までで、かつ2週間以上の育児休業でないと4月の保険料は免除となりません。
改正の背景
現行制度では月末時点に育休をしていれば保険料が免除され、月の途中に短期間の育休を取得した場合には保険料が免除されないという不公平が生じていました。また、賞与が支給するタイミングで短期間の育児休業をとり、保険料負担を逃れるケースが問題視さていました。男性の育児休業は、令和1年では7.48%とまだまだ低い水準にありますが、上昇傾向にはあります。ただ、取得日数をみると5日未満が36.3%、5日以上2週間未満が35.2%と非常に少ない育児休業取得日数で、2週間以上の長期的な育児休業を促すことも今回の改正の趣旨に一つです。

協会けんぽの保険料率が変更となります

令和3年3月分から保険料率が変更されました。4月からの給与から控除する健康保険料は新しい保険料となります。協会けんぽの主な都道府県の保険料率は以下の通りです。また、介護保険料率は全国一律で全国一律の介護保険料率(1.80%)が加わります。

令和2年度 令和3年度
東京都 9.87% 9.84%
埼玉県 9.81% 9.80%
神奈川県 9.93% 9.99%
茨城県 9.77% 9.74%

※健康保険組合に加入されている事業主様については、各健康保険組合へお問い合わせください。