社会保険労務士法人 トレイン

人事・労務便り
人事・労務のポイント

社会保険の手続きでマイナンバーによる届出が開始されています

2018.04

平成30年3月5日からマイナンバーによる届出が開始され、今後は、基礎年金番号かマイナンバーどちらかを記載して届出できるようになりました。マイナンバーの活用を進めるための改正となりますが、今のところマイナンバーの記入が義務ではありません。

届出様式が変更となります

今回のマイナンバーの届出開始で各種届出様式が変更され、マイナンバー記載欄が新設されますが、この記入欄に基礎年金番号を記入して届出ることもできます。

マイナンバーを利用して年金事務所への住所変更届、氏名変更届等の届出は省略となります

今後、日本年金機構がマイナンバーを活用して、地方公共団体システム機構に変更情報の照会を行い、協会けんぽに情報提供を行うことになります。日本年金機構から情報の提供を受けた協会けんぽは、変更情報をもとに氏名変更による新しい保険証の発行を自動的に行い、事業主に送付されることになりますが、従業員や扶養家族にご住所・氏名変更があった場合は、従来通りお手数ですが、弊所までご連絡ください。

マイナンバー確認のお願いについて

平成29年12月に日本年金機構から事業主宛にマイナンバーの確認が必要な従業員リストが送付されています。お手元にリストをお持ちの場合は、年金事務所にご返送いただくか、弊所までご連絡ください。

雇用保険の手続きではマイナンバーが必須となります

平成30年5月以降、マイナンバーの記載がない届け出は受理されずマイナンバーの届出が強化される予定です。マイナンバーの記載が必要な届出等は(1)雇用保険被保険者資格取得届 (2)雇用保険被保険者資格喪失届 (3)高年齢雇用継続給付支給申請 (4)育児休業給付支給申請 (5)介護休業給付支給申請 となります。

協会けんぽの保険料率が変更となります

平成30年3月分から保険料率が変更されました。4月からの給与から控除する健康保険料は新しい保険料となります。協会けんぽの主な都道府県の保険料率は以下の通りです。また、介護保険料率は全国一律で1.65%から1.57%へ変更となります。※神奈川県及び千葉県については保険料率の変更はありません。

平成29年度 平成30度 平成29年度 平成30年度
東京都 9.91% 9.90% 神奈川 9.93% 9.93%
埼玉県 9.87% 9.85% 千葉 9.89% 9.89%
茨城県 9.89% 9.90% 栃木 9.94% 9.92%
※健康保険組合に加入されている事業主様については、各健康保険組合へお問い合わせください。

働き方改革 ~「持ち帰り残業」リスクについて~

長時間労働を制限するために「ノー残業デー」、「全館一斉消灯」などを実施している企業もみられます。この場合、強制的に帰る制度を導入したところで、業務量が減っているわけではないので、未消化の仕事を自宅に持ち帰り仕事をしなくてはならない可能性が出てきます。この「持ち帰り残業」について、上司の指示であれば、当然に労働時間となり、明確な指示がない場合であっても、実際に与えられた業務量が多く、勤務時間内で終わらない場合などは、上司からの指示がなくとも黙示の残業命令と判断される可能性があります。この場合、会社の知らないところで、残業時間が蓄積され、結果として、残業代の未払いが発生していることになります。その他に、仕事を事業場外で行うため、情報漏えいのリスクも高まります。こうしたトラブルにならないために、日頃から上司と部下の業務の進捗を把握するためのコミュニケーションや残業指示の運用の見直し、持ち帰り残業の禁止について就業規則に定めるなど明確にすることをおすすめします。