社会保険労務士法人 トレイン

人事・労務便り
人事・労務のポイント

改正労働法情報

2014.11

平成27年4月1日施行予定の労働関係の法改正情報をお知らせします。

1.パートタイム労働法(平成27年4月1日施行)

パートタイム労働者の公正な待遇を確保のためパートタイム労働法次のとおり変わります。

(1)パートタイム労働者の公正な待遇の確保

(1)正社員と差別的な取り扱いが禁止されるパートタイム労働者の対象範囲が拡大
次のいずれも該当するパートタイム労働者は、賃金、教育訓練、福利厚生などすべての待遇について差別的取り扱いが禁止されます。
●職務内容が正社員と同じ   ●人材育成の仕組みが正社員と一緒

(2)パートタイム労働者と正社員の待遇を相違させる場合は、職務内容や人材育成の中身、その他の事情を勘案して不合理なものでないこと

(2)パートタイム労働者を雇用したときの事業主の説明義務を新設

(1)義務付けられた説明内容例
・賃金制度がどうなっているか ・どのような教育訓練があるか ・どの福利厚生施設が利用できるか
正社員転換制度があるか など

(2)説明を求められたときの説明内容例
賃金決定の要素はなにか・教育訓練や福利厚生施設が利用できない理由・正社員転換のための要件など

(3)説明を求めたことによる不利益な取り扱いの禁止

(4)パートタイム労働者の相談に対応するための体制整備、相談窓口の周知の義務化

(5)親族の慶弔により勤務しなかったことを理由とした解雇の禁止

(3)法令の実効性を高めるための規定の新設

(1)厚生労働大臣の勧告に従わない事業主の公表制度の新設

(2)虚偽報告をした事業主に対する過料の新設

2.労働者派遣法(平成27年4月1日施行予定)

労働者派遣法が次のとおり閣議決定され、今臨時国会で審議されています。

(1)特定労働者派遣事業の廃止

現在、一般労働者派遣事業(登録社員の派遣:許可制)、特定労働者派遣事業(自前社員の派遣:届出制)の区分を廃止し、全ての労働者派遣事業を許可制とする。

(2)労働者派遣の派遣期間の見直し

現行は、専門業務からなる26業務には期間制限がかからず、その他の業務には原則1年、例外3年の期間制限がかかっているが、わかりにくい等の課題があるため廃止し、次のとおりとする。

  1. 派遣労働者個人単位の期間制限
    派遣先の同一組織単位における同一派遣労働者の継続的受入は3年を上限とする。
  2. 派遣先の事業所単位の期間制限
    派遣先の同一事業所における派遣労働者の受け入れ期間は3年を上限とするが、受け入れ開始から3年を経過するまでに、過半数労働組合から意見を聴取した場合は、さらに3年延長可能とする。

(3)派遣労働者の均等待遇の確保・キャリアアップの推進を図る